2013年02月28日

<収録作品は『松江印象記』、『槍ヶ岳紀行』など> 芥川龍之介全集(8) [ 芥川龍之介 ](取扱店:楽天ブックス)



■目次
紀行(支那游記/松江印象記/軍艦金剛航海記/槍ヶ岳紀行/東北・北海道・新潟)/日記・日録(田端日記/我鬼窟日録/長崎日録/澄江堂日録/軽井沢日記/晩春売文日記)/詩歌(発句/短歌/詩)ほか


■青空文庫から『松江印象記』を一部抜粋
       一

 松江へ来て、まず自分の心をひいたものは、この市(まち)を縦横(じゅうおう)に貫いている川の水とその川の上に架(か)けられた多くの木造の橋とであった。河流の多い都市はひとり松江のみではない。しかし、そういう都市の水は、自分の知っている限りでたいていはそこに架けられた橋梁(きょうりょう)によって少からず、その美しさを殺(そ)がれていた。


■青空文庫から『槍ヶ岳紀行』を一部抜粋
+目次



 島々(しま/\)と云ふ町の宿屋へ着いたのは、午過ぎ――もう夕方に近い頃であつた。宿屋の上(あが)り框(かまち)には、三十恰好(がつこう)の浴衣の男が、青竹の笛を鳴らしてゐた。
 私(わたし)はその癇高い音(ね)を聞きながら、埃にまみれた草鞋の紐を解いた。其処へ婢(をんな)が浅い盥(たらひ)に、洗足の水を汲んで来た。水は冷たく澄んだ底に、粗い砂を沈めてゐた。


■『松江印象記』、『槍ヶ岳紀行』などの著作権が切れている作品は青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)でも読むことができます。


posted by 657575 at 21:07| 小説 | 更新情報をチェックする
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